不足すると元気が出ない?ビタミンDの働きと摂取方法
我々の健康を支える必須栄養素であるビタミン。
その中でも今回は「ビタミンD」についてお伝えします。
ビタミンDは、現代のライフスタイルや食環境を背景に多くの人にとって不足しやすい栄養素といえます。
ビタミンDとは?
「ビタミンD」は脂溶性ビタミンの一種であり、カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯の形成を支えるビタミンです。
そしてこのビタミンDは、実は人間が体内で生成することも可能です。
ではどのように体内で生成できるのでしょうか?
ビタミンDの体内での生成に必要なのは「日光浴」です。
日光からで紫外線を浴びることによって生成され、体内のビタミンDの70〜80%が日光浴に由来するといわれています。
しかし、現代に生きる我々は日光を日常的に浴びることができているでしょうか?
現代の生活ではオフィスワークなどで室内で日中を過ごす人が多く、日光を浴びる時間そのものが減ってしまっています。
さらに都心部においては、もはや日光はおろか屋外に出る時間さえなく毎日が過ぎていく人も多いのではないでしょうか?

つまり、現代はビタミンD不足に陥りやすい状況にあります。
そしてビタミンDが不足すると精神的な不調やうつ症状につながります。
精神的な不調や気分が上がらない場合、もしかすると原因は実はビタミンD不足にあるかもしれません。
ビタミンDの種類
ビタミンDには主に ビタミン"D2" と ビタミン"D3" が存在します。
(D1やD4以降も存在しますが、人間が栄養素として活用できるのはこの2種類のみのようです)
ビタミンD2
- 植物由来のビタミンD
- 植物が紫外線を浴びると、このビタミン"D2"が生成される
ビタミンD3
- 動物由来のビタミンD
- 人間が紫外線を浴びると、このビタミン"D3"が生成される
つまり人間における栄養の観点から言えば「ビタミンD」は「ビタミンD2」と「ビタミンD3」の総称であり、それぞれ "D2" は植物由来、"D3" は動物由来となります。
ビタミンDの働き
ビタミンDは、体内で活用されるためには「活性型ビタミンD」という形態に変換される必要があります。
この「活性型ビタミンD」は我々の体内で以下のような働きをします。
骨・歯の形成
カルシウムとリンの吸収を促進し、骨や歯の強度を保つ働きを持ちます。
筋肉の機能維持
筋肉細胞内のカルシウム代謝を整え、正常な筋収縮や筋力維持をサポートします。
神経・脳機能のサポート
神経伝達物質の合成や神経細胞の保護に関与し、気分や認知機能の安定に寄与します。
免疫機能の調整
免疫細胞の働きを調整し、感染症予防や炎症を抑える役割を果たします。
循環器・代謝系のサポート
血圧や血糖値を調整することで、心血管や代謝を保つ働きがあります。
遺伝子発現と細胞の制御
約200以上の遺伝子の発現をコントロールし、細胞の分化や増殖の調整に関わっています。

ビタミンD不足の症状
つまりビタミンDが不足するとこれらの働きに影響が出るため、以下のような症状を引き起こします。
骨代謝異常
カルシウム吸収が低下し、骨の形成や維持が不十分になります。骨密度の低下や骨の柔軟化を招きます。
免疫機能の低下
免疫細胞の働きが鈍り、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まります。感染症にかかりやすくなります。
神経・ホルモンの不調
脳内の神経伝達やホルモンバランスが乱れ、気分の落ち込みや集中力の低下につながります。
代謝の乱れ
血糖値や血圧の調整がうまくいかず、糖代謝や循環機能の異常を引き起こす可能性があります。

不足すると「うつ」や「がんリスク上昇」にも?
近年の研究では、ビタミンD不足がうつ症状の増加やがん発症リスクの上昇と関連していることが報告されています。
脳内にはビタミンD受容体(VDR)という機能があり、神経伝達物質のバランスや炎症の抑制に関わることから、気分の安定や精神的な健康にも関与していると考えられています。
また細胞の増殖や分化を調整する働きから、これががん細胞の増殖抑制に寄与する可能性が示されています。
ただし、これらは厳密にはいずれも明確な因果関係が確立されたわけではなく、現時点では関連が示唆されている段階とされています。
ただこの点は差し置いても、全身の健康を支える基礎としてビタミンDの十分な摂取は欠かせません。
1日に必要な摂取量
では具体的にどれくらいの摂取が必要なのでしょうか?
まずは摂取量ではなく「血中濃度」の目安値ですが、 60〜80 ng/mL に保つことが理想とされています。
しかしながら日本人の多くは 20〜30ng/mL にとどまっているため、多くの日本人は慢性的にビタミンDが不足しているといえます。
これを踏まえて、摂取量としては成人の場合、25〜50μg(マイクログラム)/日 程度で維持できるとされています。ただ現代の屋内で過ごす時間が長いライフスタイルなども鑑みれば実際には 75〜125μg/日 の摂取が理想的です。
またサプリメントでは一般的に IU(International Unit:国際単位) という単位が使用されており、μg の値に 40 を掛ければこの IU に換算できます。
- 75〜125μg/日 → 3,000〜5,000 IU/日
サプリメントで補給する場合はこの数値を目安にしましょう。
(厳密には個人差があるため、血液検査から現在の血中濃度を把握しながら、サプリメントの摂取で自分に合った摂取量を把握することが重要です。)
では、どのようにビタミンDを補給していくのが良いのでしょうか?
日光浴による生成
人間の皮膚は紫外線を浴びると皮膚内のコレステロールが反応してビタミンD3が生成されます。
つまり日常的に日光浴を行って紫外線を浴びることが大切です。
またビタミンDを効果的に生成できる日光浴としては以下がポイントです。
- 午前10時〜午後3時ごろ(紫外線量が最大になる時間)
- 顔や腕などの皮膚を出す
- 15〜30分程度日光を浴びる

日焼け止めはビタミンD生成を阻害する
「紫外線を浴びること」がビタミンD生成につながるため、日焼け止めを常用している場合はこの紫外線をブロックしてしまい、ビタミンDの生成を阻害しているのです。
どうしても日焼けは避けたいという場合、食事やサプリメントからの摂取がより重要になってきます。
食事からの摂取
サプリメントからの摂取がない場合は、ビタミンDの大部分は日光浴によって生成されますが、食事から摂取することで補うことも可能です。
しかし食事からの摂取量はかなり限られるため、あくまで補助的な補給源として考えておくのが良さそうです。
食材としては以下のような食品を日常的に摂取するように心がけましょう。
- 動物由来のビタミンD3
- サケ、サバ、マグロ、イワシ、卵黄
- 植物由来のビタミンD2
- きのこ類

ただやはり現代のライフスタイルも踏まえると、ビタミンDを日光浴と食事からの摂取のみで必要量を満たすのはかなり難しいです。
このような状況から、日常的にビタミンDをサプリメントから摂取することを推奨します。
サプリメントからの摂取
サプリメントから摂取する場合は「ビタミンD3」を選択しましょう。
「ビタミンD3」は人間の体内でも生成・活用できることからも分かるように、D2に比べて吸収効率が高く、かつ血中での滞留時間も長いため、効率的かつ持続的に効果を得ることができます。
「マグネシウム」と一緒に摂取すると効果的
先に述べたとおり、ビタミンDが栄養として活用されるためには、「活性型ビタミンD」という形態に変換される必要があります。
そしてこの活性型になるためには実は「マグネシウム」が必要です。そのためマグネシウムを一緒に摂取するようにしましょう。

マグネシウムについての記事はこちらから↓

冬は特にビタミンDの摂取が重要
冬は日照時間が少なくなることから、実質的に日光を浴びる時間が短くなるため、ビタミンDの生成量が低下しやすい季節です。そのため日光浴はもちろん、積極的にサプリメントからの摂取も心がけましょう。
日々の活力を支えるビタミンD
ビタミンDは、骨や免疫、神経、筋肉、そして遺伝子発現まで、全身の機能を調整するビタミンです。
しかし現代の屋内で過ごす時間が長いライフスタイルでは、慢性的なビタミンD不足に陥っている人が多いといわれています。
意識的に日光浴やビタミンDが含まれる食品から摂取しつつ、サプリメントでの補給も心がけましょう。

そして食事やサプリの改善を試みたら、自分自身の体調に向き合ってよく観察してみてください。
大切なのは「推奨摂取量を満たすこと」ではなく、あなたの「日々の体調や体調が良くなること」です。
日々自分自身に向き合って体調の変化を確認し、そこから更に改善や変化を取り入れていってください。
この積み重ねが健康的な未来につながります!
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