脳と神経のエネルギーを支える!ビタミンB1(チアミン)の働きと摂取方法
我々の健康を支えているビタミンB群。
ビタミンB群は「ビタミンB◯(数字)」と名のつくものの総称で、どれも我々の身体にとって欠かせない必須ビタミンです。
その中でも「ビタミンB1」は、現代の食環境の変化などを背景として、多くの人にとって不足しやすい栄養素の一つです。
今回はこの「ビタミンB1」についてお伝えします。
ビタミンB1とは?
ビタミンB1は、別名「チアミン」とも呼ばれる水溶性のビタミンです。
水溶性であることによって、汗や尿とともに排出されやすく、こまめな摂取が欠かせないビタミンです。
そして、ビタミンB1は多くの酵素の「補酵素」として働きます。
「補酵素」とは文字通り ”酵素をサポートする” 成分で、酵素が本来の力を発揮するために必要不可欠です。
特に糖をエネルギーへ変換する代謝経路に深く関わり、脳神経の働きや全身のエネルギー生成を支える基盤となります。

ビタミンB1の働き
糖をエネルギーに変換する酵素のサポート
ビタミンB1(チアミン)は「チアミンピロリン酸(TPP)」という活性型に変換されることで、糖質をエネルギーへ変換する酵素の補酵素として働くことができます。
特に脳や神経細胞は、糖を主なエネルギー源とするため、ビタミンB1が不足するとエネルギー供給が大きく低下してしまいます。
神経の保護と正常な機能維持
末梢神経から脳・脊髄まで、あらゆる神経系のエネルギー供給と機能維持をサポートする役割を担っています。神経細胞の過剰興奮を抑制して、集中力や精神的な安定などに寄与しています。
神経伝達物質(ドーパミン)代謝の調整
「COMT(コムト)」と呼ばれる、ドーパミン代謝を担う酵素の働きに必要なエネルギー生成を支えており、このドーパミンの量を調整することで精神的な安定、やる気、集中力などに影響を与えています。
ビタミンB1不足の症状
ビタミンB1が不足すると、エネルギー代謝の中間体である「ピルビン酸」が、エネルギーへと変換されず「乳酸」へと変換されてしまいます。
これにより「エネルギー生成量の低下」と「乳酸の増加」を主な原因として、以下の症状につながっていきます。
疲労感・だるさ・筋肉痛
ピルビン酸が乳酸に変換されてしまうと、筋肉に乳酸が蓄積し、疲れやすくなったり、筋肉痛・だるさなどが起こりやすくなります。
(「筋肉に乳酸が溜まる」とよくいわれますよね!)
手足のしびれ・集中力低下
脳や神経細胞は大量のエネルギーを消費するため、エネルギー変換プロセスが機能しなくなると、これらの機能低下にもつながります。
よって、手足のしびれ、注意力の低下、頭がぼんやりするなどの神経系の不調が出やすくなります。
ドーパミン代謝異常による精神症状の悪化
そしてドーパミンの代謝にも影響を与えます。ドーパミンは脳内の神経伝達物質であり、やる気や快感、集中力を高める働きを持っています。
エネルギー不足によって「COMT(コムト)」と呼ばれるドーパミンの代謝酵素の働きが弱まると、ドーパミンが過剰に蓄積してしまいます。
これが神経の過剰興奮を引き起こし、幻覚・妄想などの重度の精神症状につながるケースも報告されています。
さらにアドレナリンが酸化して生じる「アドレナクロム」が神経細胞を傷つけ、これも精神の不安定や神経障害を引き起こす可能性があります。

慢性疲労症候群・神経疾患の原因にも
そして近年の研究では、ビタミンB1の慢性的な不足がミトコンドリア機能の低下を招き、慢性疲労や一部の神経疾患の悪化の要因となる可能性が指摘されています。
1日に必要な摂取量
ビタミンB1の1日あたりの推奨摂取量は以下とされています。
- 成人男性:1.2 mg / 日
- 成人女性:1.1 mg / 日
しかし日本人の平均的な1日の摂取量は 1.0mg未満 といわれており、多くの日本人がビタミンB1不足といえます。
これには現代の食環境における以下のような背景があります。
- 白米などの精製穀物の摂取量増加
- ビタミンB1を多く含むタンパク質摂取量の低下
- 加工食品中心の食生活
つまりビタミンB1は「現代人に不足しがちな栄養素」といえるでしょう。
このため日常的に食品からの摂取を意識しつつ、サプリメントを活用して補うことが推奨されます。
食事からの摂取
ビタミンB1を多く含む食品には以下のようなものがあります。
- 豚肉(特にロース・ヒレに豊富)
- 玄米
- 全粒穀物
- 豆類(大豆・レンズ豆など)

これらの食品は、他の食品に比べてビタミンやミネラルも豊富に含むため、積極的な摂取を心がけましょう。
サプリメントからの摂取
現代の食生活では不足しやすいため、ビタミンB1のサプリメント摂取は非常に有効です。
サプリメントからの摂取では以下のサプリメントをおすすめします。
ビタミンB1(チアミン / Thiamine)
一般的なビタミンB1サプリメントで、価格も手頃なので日常的に使いやすいタイプです。水溶性ビタミンなので体に留まりにくく、こまめな補給が必要になります。
(「チアミン(Thiamine)」と書かれていることもあるので要注意!)
ベンフォチアミン(Benfotiamine)
脂溶性に加工されたビタミンB1サプリメントです。
通常のチアミンより吸収率が高く、体内に長く留まりやすいのが特徴です。特に神経障害、糖代謝トラブル、慢性的な疲労感がある人など、より効率的にビタミンB1を補給したい方、タイミングでの摂取におすすめです。
サプリメントの効果的な摂取方法
ビタミンB1はそのままでは体内で働くことができません。
「チアミンピロリン酸(TPP)」という活性型に変換されて、初めて機能することができます。
そしてこのチアミンピロリン酸(TPP)への変換にはマグネシウムが必要になります。
「マグネシウム」の十分な摂取が大切

つまりマグネシウムが不足していると、いくらビタミンB1を摂取していても効果を最大限発揮できないのです。
マグネシウムが豊富な食品としては以下のようなものがあります。
- 緑黄色野菜(ほうれん草、ケールなど)
- ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)
- 魚類(サバ、サーモン)
マグネシウムは多くの身体機能に必要とされるため、食事からの摂取だけでなくこちらもサプリメントで補うことをおすすめします。
マグネシウムについての記事はこちらから↓

ビタミンB1を阻害する成分に注意
実はビタミンB1の吸収や利用を阻害する成分が存在します。
ビタミンB1の摂取時にはこれらの成分に注意することが大切です。
どれも大量摂取しなければそこまで影響はないため、知識として把握しておく程度で問題ないでしょう。
ポリフェノール
コーヒー・紅茶のポリフェノールは、ビタミンB1を不活化することがあるため、これらを飲む際はサプリメントの摂取と時間をずらしましょう。
アルコール
アルコールは腸でのビタミンB1の吸収を阻害するうえ、肝臓での利用も妨げてしまいます。
チアミナーゼ(ビタミンB1分解酵素)
生の魚介類や一部の山菜(わらびやぜんまい)には、ビタミンB1分解酵素であるチアミナーゼが含まれ、ビタミンB1が吸収される前に分解してしまいます。ただしこの酵素は熱で失活するため、加熱して食べることが推奨されます。
脳や神経の健康を支えるビタミンB1
ビタミンB1は、エネルギー代謝・神経・精神機能などを支える必要不可欠なビタミンB群の一つです。
しかし現代の食環境では不足しやすい状況にあるため、食事に豚肉や玄米、全粒穀物などを意識的に取り入れつつ、必要に応じてサプリメントを活用することが非常に有効です。

そして食事やサプリの改善を試みたら、自分自身の体調に向き合ってよく観察してみてください。
大切なのは「推奨摂取量を満たすこと」ではなく、あなたの「日々の体調や体調が良くなること」です。
日々自分自身に向き合って体調の変化を確認し、そこから更に改善や変化を取り入れていってください。
この積み重ねが健康的な未来につながります!
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