超加工食品とは?現代の食事に潜む健康リスク
我々の日々の食事の中には「超加工食品」と呼ばれる食品が存在します。
「超加工食品」とは、国際的に広く用いられている加工食品の分類方法NOVA分類において、最も加工度が高い「NOVA4」に分類される食品群のことを指します。
- NOVA1:未加工または最小限の加工食品(野菜、果物、精米など)
- NOVA2:料理に使う加工原料(砂糖、油、塩など)
- NOVA3:加工食品(缶詰、チーズ、パンなど)
- NOVA4:超加工食品(カップラーメン、スナック菓子、炭酸飲料など)
英語ではUPF(Ultra-processed foods)と呼ばれており、 自然の食品からかけ離れた形になるまで工業的に加工され、人工的な添加物や加工原料を多く含む食品群のことを指します。
これを聞くとあまり食べたいとは思わないですよね。。
でもこの「超加工食品」。実は現代の食生活に幅広く浸透しているのです。
超加工食品の具体例
- 即席・インスタント食品:インスタントラーメン、カップ麺、レトルトカレー
- スナック・菓子類:スナック菓子、菓子パン、市販のケーキやクッキー、加糖シリアル
- 飲料:炭酸飲料、エナジードリンク、スポーツドリンク、加工乳飲料(コーヒー牛乳など)
- 加工肉製品:ソーセージ、ハム、ベーコン、魚肉ソーセージ
- 冷凍食品(調理済み):冷凍唐揚げ、餃子、ハンバーグ、ピザ
※冷凍ほうれん草や魚など素材そのままの冷凍品は含まれません。 - ファストフード全般:ハンバーガー、ナゲット、ポテト、ドリンク類

きっと口にしたことがある食品ばかりはなず。
ざっとまとめると「コンビニやスーパーで安価に買えて、かつすぐ食べられる調理済みの食品」と考えるとイメージしやすいと思います。
なぜ「超加工食品」が良くないのか?
手軽な食品である一方、近年健康の観点でリスクが指摘され始めています。
1. 研究で健康リスクが明らかに
近年の研究やメタ分析で、超加工食品の摂取がさまざまな健康リスクと結びついていることが分かってきました。
- 総死亡リスク
- フランスの大規模研究(2019年)では、摂取量が10%増えるごとに総死亡リスクが14%上昇すると報告。
- 精神的な不調
- オーストラリアの研究(2022年)では、摂取量が多い人ほどうつ病や不安症状のリスクが有意に高いと報告。
- 心血管疾患・がん
- 複数の研究で、超加工食品が多い食生活は心血管疾患による死亡リスクを最大66%高めることを報告。
- 体脂肪とホルモン機能
- デンマークの研究では、同じカロリーや栄養素バランスでも、超加工食品中心の食事で体脂肪が増え、男性ホルモン(テストステロン)が低下することを確認。

2. 現代の栄養不足の要因になっている
超加工食品は加工の過程で、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素が失われやすいのが特徴です。
- 精製された砂糖
- サトウキビやてんさいから糖分だけを抽出し、ビタミン・ミネラル・食物繊維はほぼゼロ
- 精製された小麦
- 外皮や胚芽を取り除き、炭水化物(でんぷん)だけが残り、ビタミン・ミネラル・食物繊維が大幅に減少
- レトルト食品など
- 高温で加熱殺菌されることで、ビタミンCなどの水溶性ビタミンが失われる
これらは一例であり、本来の栄養素が失われているケースはこれだけではありません。
つまり日々十分に食事を摂取しているつもりでも、超加工食品の摂取割合が多いと、慢性的に栄養不足になりやすいのです。
3. 世界的に多くの人々の摂取カロリーの大部分を占めている
ここまで聞くと避けたくなるところなのですが、具体例からも分かる通りこの「超加工食品」は現代の食事に深く浸透しています。
実際に欧米では、総摂取カロリーの半分以上、若者では約3分の2が超加工食品であるとする分析・報告が発表されています。
現代の食生活に溶け込んだ超加工食品
これだけ健康リスクがある一方で、以下のような理由から、現代ではもはや多くの人々にとって「欠かせない食品」となっているのが現状です。

1. 安くて手軽に食べられる
超加工食品はその高い大量生産と保存技術によって、低価格・長期保存・調理不要という食事における手軽さを実現しています。
忙しい日常のなかでは、「コンビニですぐ買える」「電子レンジで温めるだけ」といった利便性はやはり圧倒的で、これらの食事を選びがちです。
2. 味や食感が“最適化”されている
実は、超加工食品は塩分・糖分・脂肪などのバランスを「おいしい」と感じやすいように調整され、さらに添加物で食欲を刺激する設計がされているものもあります。
その結果、脳が強く報酬を感じやすく、つい何度も食べたくなるのです。
3. 社会全体の食環境に浸透している
超加工食品はスーパーやコンビニの食品だけではありません。
外食チェーン、さらには家庭での食事(惣菜・冷凍食品)、あらゆる場面で超加工食品が選択肢の中心になっています。
外食チェーンではある程度調理・加工済みの食品が店舗に配送されて調理されますし、家庭での食事も忙しい日々を理由に、調理済みの惣菜や冷凍食品を選択すればそれはもはや「家庭料理」ではありません。
こうして現代では、相当に意識をしない限りは、超加工食品を自然と食べてしまう、食べざるを得ない状況となっているのです。
超加工食品を避けるためにできること
このような背景から、完全に避けるのは簡単ではありませんが避けるために出来ることはあります。
1. 原材料表示を確認する習慣をつける
超加工食品は食品添加物が多く含まれるため、原材料を確認して食品添加物の量を把握すると、ある程度の加工度の高さを把握することができます。
現在の日本の原材料表示では、原材料と食品添加物を分けて記載するように決められています。
つまり食品添加物が数多く記載されている食品は、およそ超加工食品であると考えてよいでしょう。
2. 加工度の低い食品を優先して選ぶ
少しでも選択肢があるなら、なるべくシンプルな食品を選ぶように心がけましょう。
- 精製小麦粉のパン → 全粒粉のパン
- 加工肉のソーセージ → 肉のソテーや焼き魚
- 野菜ジュース → サラダやフルーツ
3. 家では簡単に作れる料理の選択肢を持っておく
家庭での食事においては、なるべく調理がシンプルな料理を作って食べることを心がけましょう。調理が大変だと料理をすること自体が億劫になり、おそらく惣菜やファストフードなどに頼りがちになるでしょう。
塩・こしょう、醤油やみりんといった基本の調味料だけで焼く、炒めるなど調理をシンプルにすることで、なるべく自然な食品を口にする機会を増やすように心がけることがおすすめです。

意識することで変えられる日々の食事
超加工食品は、私たちの食生活に深く浸透し、便利さや安さを提供する一方で、生活習慣病やメンタルヘルス、栄養不足といったリスクをもたらすことが数々の研究で明らかになってきています。
「避けたい」と思っても、コンビニや外食、家庭での惣菜など、日常のあらゆる場面に存在しているため、完全に遠ざけるのは簡単ではありません。
しかし日々の小さな工夫を積み重ねれば、少しずつ食生活を改善していくことはできるのです。
「知らないうちに食べてしまう」のではなく、
「知ったうえでほんの少しでも意識的に自ら選択する」
その日々の積み重ねが、あなたの体と心を守り、より健やかな生活への道につながるのです。
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