腸内細菌は増えすぎるとよくない?SIBO(小腸内細菌異常増殖症)とは

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腸内細菌は増えすぎるとよくない?SIBO(小腸内細菌異常増殖症)とは

腸内細菌と小腸の働き

本来、小腸には 1mL あたり1,000個から多くても10万個程度の腸内細菌しか存在しません。これらは栄養の消化・吸収をサポートする役割を持っています。

一方、大腸には 1,000億〜1兆個という圧倒的に多くの細菌が存在し、発酵や水分吸収を担っています。

しかし、通常は大腸に存在している腸内細菌が、何らかの原因によって小腸で異常に増殖してしまうことがあり、これを 小腸内細菌異常増殖症(SIBO : Small Intestinal Bacterial Overgrowth) と呼びます。

SIBO では小腸の細菌数が 1mL あたり100万個を超え、通常小腸で起こらない「異常な発酵」が生じます。その結果、小腸の本来の役割である栄養吸収が妨げられ、さまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。

SIBOの主な症状

下痢・腹痛・消化不良

SIBO によって大腸で起こるはずの発酵が小腸で生じると、短鎖脂肪酸が過剰に生成され、腸粘膜の炎症や浸透圧の変化が起こります。その結果、下痢・腹痛・消化不良などの症状につながります。

腹部膨満感やおならの増加

また発酵過程で大量のガスが発生するため、腹部膨満感やおならの増加といった不快感もよく見られます。

ビタミンB12の欠乏

さらに小腸内の細菌はビタミンB12を消費してしまうため、体内で欠乏が生じます。これにより 巨赤芽球性貧血、手足のしびれ、認知機能の低下 などが起こる可能性があります。

脂肪便・下痢・脂溶性ビタミンの欠乏

また、SIBO によって胆汁酸が過剰に分解され、脂肪が乳化できなくなると、脂肪便や下痢、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収不良を引き起こします。

リーキーガット症候群

さらに慢性的な炎症が続くことで、腸管のタイトジャンクション(腸管上皮細胞間の密着結合 = 腸のバリア機能)が壊れ、リーキーガット症候群につながる可能性も指摘されています。その結果、慢性疲労感や全身の不調が現れることがあります。

SIBOの主な原因

  • 蠕動運動の低下
     小腸の内容物が停滞し、細菌が増殖しやすくなります。
  • 胃酸分泌の低下
     胃酸の殺菌作用が弱まることで細菌が小腸に生き残りやすくなります。ストレスや加齢も関与します。
  • 免疫機能の低下
     腸内細菌の異常増殖を抑えられなくなります。
  • 抗生物質の使用
     善玉菌も減少して腸内バランスが崩れ、異常増殖が起きやすくなります。
  • 腸管手術の既往
     癒着や憩室などで小腸の流れが滞り、細菌が溜まりやすくなります。

SIBOの予防・改善方法

SIBO の予防や改善のためには、「食事」と「生活習慣」の見直しの両面から取り組むことが大切です。

医学的アプローチ

  • 診断と治療薬
     SIBO の診断には「呼気テスト」が使われることがあります。治療には医師の指導のもとで非吸収性抗菌薬(例:リファキシミン)が用いられることがあります。
  • 栄養補充
     ビタミンB12や脂溶性ビタミンの不足が起きやすいため、必要に応じてサプリメントや注射で補います。

食事・栄養でのサポート

  • 低FODMAP食の導入
    • 小腸で発酵しやすい糖質("FODMAP"と呼ばれています)を減らすことで、ガスや膨満感の軽減が期待できます。
  • 消化しやすい食品を選ぶ
    • 脂肪分の多い食品や発酵性の強い食品を控え、消化にやさしい調理を心がけます。
  • 発酵食品の摂取は慎重に
    • プロバイオティクスや発酵食品は本来「腸に良いもの」とされますが、SIBOの場合は腸内細菌の異常増殖を助長する場合があります。

生活習慣でのサポート

  • 規則正しい食習慣
    • 食事の間隔を空けることで、空腹時に起こす強い蠕動運動が促され、小腸の細菌排出を助けます。
  • ストレス管理
    • ストレスは胃酸分泌や蠕動運動を低下させるため、リラックス法を取り入れることが大切です。
  • 適度な運動
    • 腸の蠕動運動を促進し、小腸の流れを整える効果があります。

SIBOの治療(医学的アプローチ)

SIBOはセルフケアでは改善が難しいケースも多く、医学的な治療が必要になる場合があります。
この場合は専門医の診断と管理のもとで行うことが大切です。

  • 診断と治療薬
     診断には呼気テスト(ラクトロースやグルコースを使った検査)が用いられることがあります。治療には非吸収性抗菌薬(例:リファキシミン)が処方されることがあります。
    • リファキシミンは非吸収性のため、腸管内にとどまって過剰に増えた菌を腸内細菌を抑制・殺菌する目的で使用されます。
  • 栄養補充
     ビタミンB12や脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の不足が起こりやすいため、必要に応じてサプリメントや注射などで補います。

まとめ

SIBO(小腸内細菌異常増殖症)は、本来は少数しかいないはずの小腸で細菌が異常増殖してしまう状態です。

下痢や腹部膨満感、消化不良、栄養不足などを引き起こし、場合によってはリーキーガット症候群とも関連する可能性があります。

改善のためには、食事の工夫(低FODMAP食や栄養補充)や生活習慣の見直し(規則正しい食習慣・運動・ストレス管理)が重要になります。

また他の腸疾患と似通った症状も多く存在するため、SIBO だと考えて改善アプローチを試みたとしても改善しない場合があります。

慢性的に「お腹の不調が続く」「原因不明の疲労や栄養不足がある」と感じる場合は、まずは専門医に相談することをおすすめします。

とはいえ、自分自身の体とまずは向き合ってみて改善を試みることが大切です。まずはご自身で食事や生活習慣の見直しから始めてみましょう。


記事内でも出てきましたが、SIBOと並んで腸の健康において重要視されるのが リーキーガット症候群 です。

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