加工食品の原材料名読み方ガイド〜2026年最新版〜
食品を選ぶとき、パッケージ裏面の「原材料名」をなんとなく見ている方は多いと思います。
しかし、その並び方や表記ルールを理解すれば、自分に合った食品をより的確に選べるようになります。
この記事では、食品表示法に基づいた加工食品における「原材料名」表示の確認方法を、具体的な表示例とともに解説します。
前提
- 「食品表示法」および「食品表示」には「栄養成分」などの表示も含まれますが、この記事ではあくまで「原材料名」の表示とその読み方について解説しています。
- あくまで原材料名の表示の読み方を理解することを目的としています。特定の原材料や添加物についての説明や身体への影響などには触れません。
- 「特定保健用食品」「機能性表示食品」「遺伝子組み換え食品」などの一部の食品にのみ該当する内容については触れていません。
- 各章ごとに理解を深めるための具体的な原材料名の表示例を記載していますが、あくまで各章の内容に合わせた例であり、実在する食品の原材料名表示ではありません。
【注意事項】
- 本記事の内容は、最終更新時点(2026年7月)で公開されている食品表示法および関連法令に基づき、「一般的な情報提供を目的」として作成しています。
- 食品表示法や関連規則は改正されることがあり、表示義務の対象や表記方法が将来変更される可能性があります。
- 特に「特定原材料9品目」などのアレルゲン表示基準は過去に改正例があるため、実際に確認する際は、消費者庁や農林水産省等の公式情報や最新版の資料をご参照ください。
1. 日本における表示ルールの基本構造
1-1. 食品表示法に基づく統一表示
2015年の食品表示法施行により、JAS法・食品衛生法・健康増進法を統合した一元的ルールが適用されるようになりました。
これにより、加工食品には以下の情報の表示が義務付けられています。
- 名称
- 原材料名
- 添加物
- 原料原産地名
- 内容量
- 期限表示(賞味期限 or 消費期限)
- 保存方法
- 製造者
- 栄養成分表示
- アレルゲン
(その他、輸入食品においては「原産国名」の表示が義務化されているなど、食品によって義務化されている表示に変動があります。)
1-2. 原材料名は「重量順」に記載
このうち原材料名の項目は、使用した原材料に占める重量の割合の高いものから順に並べられています。
例:オートミールクッキー
原材料名:オートミール、バター、砂糖、卵、小麦粉、ベーキングパウダー
また、原材料名の中でも、複数の原料を混合した「複合原材料」には、括弧付きで構成原料を併記するか、省略が可能です。
例:サンドイッチ
原材料名:食パン(小麦粉、砂糖、ショートニング、脱脂粉乳、食塩、パン酵母)、 マヨネーズ(食用植物油脂、卵黄、醸造酢、砂糖、食塩、香辛料)、ロースハム(豚もも肉、食塩、糖類(水あめ、砂糖)、香辛料)、レタス
このサンドイッチの場合、「食パン」「マヨネーズ」「ロースハム」がそもそも加工された原材料、つまり「複合原材料」にあたるため、それぞれ含まれる原材料が括弧内で表示されています。
料理のレシピで表示される材料のように、最もメインの食材から表示され、量の少ない調味料が後半に表示されているのをイメージすると分かりやすいと思います。
2. 添加物の確認方法
添加物は、添加物であることが把握できるように、原材料とは区分して表示されます。
2-1. 表示形式
表示形式は大きく2パターン存在します。
- 「添加物」欄を設けて表示する方法
- 「添加物」欄は設けずに「原材料名」欄の中で区分する方法
添加物の多いカップゼリーを例とすると、1の表示方法だと以下のような表示になります。
例:カップゼリー
原材料名:果糖ぶどう糖液糖、砂糖、もも果汁、寒天
添加物:ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、着色料(紅麹、カロテン)、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK)
一方、2の表示方法だと以下のような表示になります。
例:カップゼリー
原材料名:果糖ぶどう糖液糖、砂糖、もも果汁、寒天/ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、着色料(紅麹、カロテン)、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK)
2の場合、スラッシュ「/」以降に添加物が表示されています。
2-2. 用途名+物質名の表示義務がある添加物
そして日本の食品表示基準では、食品添加物のうち「用途名+物質名を表示するのが原則の添加物」が8つ存在します。
- 甘味料
- 着色料
- 保存料
- 糊料(増粘剤・安定剤・ゲル化剤)
- 酸化防止剤
- 発色剤
- 漂白剤
- 防かび剤
先程のカップゼリーの例では、ゲル化剤(増粘多糖類)や着色料(紅麹、カロテン)といった添加物がこの8つに該当しています。
原材料名:果糖ぶどう糖液糖、砂糖、もも果汁、寒天
添加物:ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、着色料(紅麹、カロテン)、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK)
2-3. 物質名が表示されていない添加物
食品表示基準では、用途名表示の義務があるのは先ほどの8種類のみです。
それ以外の用途(酸味料、香料、乳化剤、膨張剤、pH調整剤など)は、用途名だけでも表示OKとされています。
つまり先程のカップゼリーの例では、「酸味料」や「香料」は物質名を併記する義務がそもそもないため、「酸味料(クエン酸)」や「香料(バニリン)」のように具体名を書くかどうかはメーカーの任意となっています。
原材料名:果糖ぶどう糖液糖、砂糖、もも果汁、寒天
添加物:ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、着色料(紅麹、カロテン)、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK)
このルールは、消費者が特に注意すべき・関心が高いとされる添加物カテゴリーに絞って詳細表示を義務化するためにできた仕組みです。
特に、酸味料や香料は種類が膨大であり、配合量もごく微量であることが多く、食品安全委員会の評価においても比較的安全性が高いとされるため、詳細表示を必須としていない、とのことです。
まとめると以下のとおりです。
- 表示義務がある8つの添加物に該当する
→ 用途名+物質名が原則必要 - 表示義務がある8つの添加物に該当しない
→ 用途名のみで可(物質名は任意)
3. アレルゲンの確認方法
アレルゲンについては、必ず表示する必要のあるアレルゲン「特定9品目」と、表示が推奨されるアレルゲン「推奨20品目」の分類が存在します。
3-1. 表示 "義務" の特定原材料9品目
えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、カシューナッツ
3-2. 表示 "推奨" の特定原材料に準ずるもの20品目
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、 ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、ピスタチオ
3-3. 表示形式
そして表示形式は「個別表示」と「一括表示」の2パターン存在します。
- 個別表示(原則)
- 原材料名(または添加物名)の直後に括弧で「(○○を含む/○○由来)」と表示します。
- 一括表示(例外)
- 表示面積等の理由で個別表示が難しいときは、欄の最後にまとめて「(一部に○○・○○…を含む)」と示すことができます。
- 原材料と添加物を欄分けしている場合は、それぞれの欄の最後に記載が必要です。
- 表示面積等の理由で個別表示が難しいときは、欄の最後にまとめて「(一部に○○・○○…を含む)」と示すことができます。
そしてこれらの表示形式を併用すること、つまり個別表示と一括表示を同一商品で混在させることはできません。
3-4. 表示例
それぞれ実際の表示例を見ていきましょう。
まず個別表示の例です。
例:ポテトサラダ
原材料名:じゃがいも(国産またはアメリカ)、マヨネーズ(卵を含む)、にんじん、きゅうり、砂糖、食塩、こしょう/調味料(アミノ酸等)
各原材料ごとに含まれるアレルゲンを個別に記載しています。このポテトサラダの場合、「マヨネーズ」の原材料に卵が含まれているため、すぐ後ろに(卵を含む)と記載しています。
次に一括表示の例です。
例:チョコチップクッキー
原材料名:小麦粉、砂糖、チョコレートチップ、マーガリン、卵、ショートニング、ココアパウダー、乳等を主要原料とする食品/膨張剤、香料
(一部に小麦・卵・乳成分・大豆を含む)
各原材料に小麦、卵、乳、大豆由来の成分が含まれていますが、各原材料に直接は書かずに最後にまとめて記載しています。
この場合、同じアレルゲンが複数の原材料に含まれている場合もまとめて記載することができます。
最後に一括表示で、原材料と添加物を欄分けしている場合も見てみましょう。
例:カップラーメン
原材料名:油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩)、スープ(ポークエキス、しょうゆ、食塩、砂糖、香辛料)、かやく(キャベツ、コーン、にんじん)
(一部に小麦・大豆・豚肉を含む)
添加物:加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、香料
(一部に小麦・大豆・豚肉を含む)
このように「原材料名」と「添加物」が別欄になっている場合は、それぞれの欄の最後に、一括表示形式でアレルゲンを記載しています。
この場合、同じアレルゲンが両方に含まれている場合も、それぞれの欄で繰り返し記載されます。
4. 原産地の確認方法
原材料欄で最も多い原料については、原産地が表示されます。
また、原産地が複数産地の場合には、使用量順に3カ国以上なら「その他」でまとめることも可能となっています。
4-1. 表示例
例:卵焼き
原材料名:鶏卵(国産)、砂糖、食塩、だし(かつお節、昆布)、しょうゆ
この卵焼きの場合、鶏卵が最も多い原料であり、全て国産なので「国産」と表示しています。
また、他の原料の産地表示は任意となっています。
例:ポテトサラダ
原材料名:じゃがいも(国産またはアメリカ)、マヨネーズ(卵を含む)、にんじん、きゅうり、砂糖、食塩、こしょう/調味料(アミノ酸等)
このポテトサラダは、最も多い原料のじゃがいもが複数産地なので「国産またはアメリカ」と表示しています。
使用比率や入荷状況によって国が変わる場合は、このような「または」という表示が可能になっています。
5. まとめ:原材料の確認ステップ
「原材料名」「添加物」「アレルゲン」「原産地」の4つの確認方法について学んできました。これらについて最後にまとめます。
あくまで例として、各項目での「避けたい例」を記載していますが、健康被害の発生を断定するものではありません。成分や産地の選択は、体質・アレルギー・嗜好など個人の判断に基づいて行ってください。
1. 原材料名の確認
- 目的
- 主要な構成要素を把握し、避けたい食材が含まれていないかチェック
- ポイント
- 重量の多い順に記載されているため、最初の3つ程度で商品の主成分は把握ができる
- 複合原材料(例:マヨネーズ(卵を含む))は括弧内まで確認
- 避けたい例(人による)
- 精製糖(例:砂糖、果糖ぶどう糖液糖)
- 精製小麦粉(グルテン感受性のある人)
- 高GI値の炭水化物(例:白米、もち米)
- 高脂肪の加工油脂(例:ショートニング)
2. 添加物の確認
- 目的
- 保存料・着色料・人工甘味料などの添加をチェック
- ポイント:
- 添加物は「/」や別欄でまとめて記載
- 8つの「用途名+物質名の表示義務がある添加物」は物質名が把握可能
- 用途名(例:酸味料、香料)だけの表示は具体物質が不明なので注意
- 避けたい例(人による)
- 保存料(ソルビン酸K、安息香酸Na)
- 合成着色料(赤102、青1など)
- 人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース)
- 発色剤(亜硝酸Na)
3. アレルゲンの確認
- 目的
- 食物アレルギーや感受性による健康リスクをチェック
- ポイント:
- 個別表示(原材料名の直後に括弧書き)か一括表示(欄の最後)のパターンが存在
- 避けたい例(人による)
- 実際に自身がアレルギーを持っているアレルゲン
- アレルギーではないが避けたいアレルゲン(小麦、乳成分など)
4. 原産地の確認
- 目的
- 農薬残留基準、栽培環境などの影響を考慮
- ポイント:
- 原材料欄で最も多い原料の産地は義務表示
- 単一産地なら「○○(国名)」、複数産地なら「○○、○○」
- 使用比率や入荷状況によって変動する場合は「○○または○○」と表記可能
- 避けたい例(人による)
- 自国の安全基準と大きく異なる産地(例:農薬基準や使用状況が異なる)
参考文献
精密栄養カウンセリングサービスのお知らせ
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